ある日のつぶあんこ所属のケアプランセンター。
つぶあんこは今日も担当の利用者さんのことで悩んでいます。末期癌と宣告された利用者さんが「自宅で最後まで過ごす」と決められた後、家族さんに介護疲れが顕著にみられてきました。
家族さんは精一杯介護されているんですが、明らかに疲れがみられてて。看取りって期間がわかるものではないからこのままでいいか、悩みどころです。
家族さんも息抜きが必要よね
家族さんの休憩の為にも数日の短期入所生活介護を提案したくても、末期癌の利用者さんとなると、受け入れ先も渋い顔をされるんですよね。夜間帯に看護師さんがいないですし。
その利用者さんって訪問看護入っているかな?
はい、医療保険で入ってます。末期癌なので。
看護師さんだけの問題であれば、老人保健施設の短期入所療養介護を利用するのも手だけど、末期癌の利用者さんだと、短期入所生活介護にいつも利用している訪問看護ステーションの看護師さんが来ることもできるんだよ。
老人保健施設のショートステイって部屋数も少ない所が多いから、短期入所者生活介護にいつもの看護師さんが来てくれたら、めちゃくちゃありがたい。
そうよね。利用者さんも、いつもの看護師さんがお泊り先に来てくれたら安心するし、そこの従業員さんも普段の様子を把握しやすいよね。
基本的には、短期入所生活介護利用中には、訪問看護サービスは使えません。また、短期入所者生活介護に看護師が配置されていない事業所もあります。よって家族さんの介護の休憩(レスパイト)の為のショートステイの利用を、躊躇う方がいるかもしれませんが、末期癌の利用者さんであれば、訪問看護が医療保険で利用することができます。つまり短期入所者生活介護の利用先に訪問看護師さんが訪問してくれるのです。しかし、この場合は条件があります。
サービス提供前30日以内に利用者さん宅を訪問し、訪問看護療養費を算定した訪問看護ステーションの看護師等が指定訪問看護を実施した場合に限り訪問看護基本療養費を算定できる。
つまりは、短期入所生活介護の利用前から自宅に来てくれている訪問看護ステーションの看護師さんに限って利用できるということになります。
また、短期入所療養介護では認められていません。
介護支援専門員は、サービス担当者会議等を通じて主治医や訪問看護、短期入所者生活介護の事業所等と密接な情報交換や連携を必要とするところですね。
さらにうれしいことに、末期がんの利用者さんに限り普段自宅に来てくれている訪問診療の先生にも短期入所生活介護先に来てもらい、訪問診療をしてもらうことができます。その場合、訪問看護同様に、条件があります。
サービス利用前30日以内に利用者さん宅を訪問し、在宅患者訪問診療料、在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料又は在宅がん医療総合診療料(以下「在宅患者訪問診療料等」という。)を算定した保険医療機関の医師(配置医師を除く。)が診察した場合に限り、算定することができる。
末期癌の病名以外にも医療的ニーズが高く、いつも来てくれている訪問看護ステーションさんが短期入所生活介護先に訪問してくれたら、大変うれしいものです。実は方法があります。それは短期入所生活介護事業所が「在宅中重度者受入加算」を算定している場合です。この場合、短期入所生活介護事業所と当該訪問看護ステーションとの契約を行い、その利用者の健康上の管理等の実施に必要な費用を短期入所生活介護事業所が訪問看護事業所に支払うこととされています。つまりは、利用者さんは訪問看護事業所ではなく、在宅中重度受け入れ加算として、短期入所生活介護事業者へ費用を支払う必要があります。
・末期癌の場合、短期入所生活介護先で訪問看護を受けることができる【条件有り】
・上記の場合、短期入所生活介護先で訪問診療を受けることができる【条件有り】
・末期癌以外でも、短期入所生活介護先で「在宅中重度者受入加算」を算定していたら、居宅にきている訪問看護師さんに、当該短期入所生活介護先に来てもらうことができる。
みなさんの活動の一助になれば、大変嬉しいです。
では、明日も適当に頑張りましょう。「ケセラセラ。」