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【ケアマネージャーの身を守ろう!】不正に関与しないために。居宅ケアマネの胸がざわざわするエピソード集めました【有料老人ホーム編】

居宅介護支援事業所のケアマネは様々な介護事業所さんと関わりを持ちます。利用者のことを真剣に考え、提案してくれる事業所やトラブルがあった時に一緒に悩んでくれる事業所、対応が困難な利用者さんでも嫌な顔せずに引き受けてくれる事業所。そのような事業所さんには本当に感謝しきれません。
しかし、中には「ん?何か、ここ。匂うぞ」と不安を感じる事業所もあります。介護支援専門員の感覚は無視できません。意外と的中するのです。


残念ながら、介護保険で「不正請求」が多いのは皆さんもご存知の事実です。介護支援専門員は給付管理業務を行うため、無意識のうちに不正に関与してしまう危険があります。


そのような事業所に対してはケアマネージャー自身や利用者さんのために、自己防衛していくことが重要です。知らず知らずのうちに、渦中の人にならないように、事前に漂うシグナルを感知しましょう!

今回はそのような不穏な前触れを感じさせる居宅ケアマネの胸がザワザワするエピソード【有料老人ホーム編】を、私が聞いたり、見たり、体験したことを踏まえながら紹介していきます。

※今回紹介しているエピソードの施設は、居宅介護支援が介入できる住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅を前提としています。

epsode 1 サービス付き高齢者住宅に入ったら、今まで使っていた通所リハビリは使えないの?

ある利用者さんがサービス付きの高齢者住宅に入所することになりました。そこは通所介護と訪問介護が併設しており、毎日でも通所介護に通う事ができる環境でした。利用者さんは以前から通所リハビリテーションを週1回利用していたのですが、入所時に通所リハビリテーションの利用を中止し、通所介護の利用を毎日して欲しいと有料老人ホームのスタッフから依頼を受けました。

epsode 2 福祉用具ってその事業所の自費レンタルを借りないといけないの?

サービス付きの高齢者住宅に入所するにあたって限度額いっぱい施設で提供されるサービスを利用することになったので、在宅の時から利用していた福祉用具の貸与が限度額超過のため、介護保険で借りることができなくなりました。そこで施設から提案を受けたのは、その施設で行っている福祉用具のリースサービスです。介護保険を利用しないため、価格帯としては高額でありベッド1台につき月額5000円程度の費用が発生するといわれました。

ケアマネージャーの知っている福祉用具貸与の事業所での自費ベッドのレンタルの方が金額が安かったので、別の会社の利用をしたいと伝えましたが、「外部のレンタルは持ち込み禁止なんで」と、断られました。

episode 3 デイサービス利用中に訪問診療の先生来てるんだけど。これってどうなってるの?

施設入所と同時に有料老人ホームの提携クリニックにの先生が主治医となりました。その先生の診察は月に2回、訪問診療として施設の利用者さんを診察する方法を取っているのですが、通所介護の利用中に、通所介護のフロアで一斉に診察をしているようです。緊急時でもなければ本来通所介護利用中に診察すると、その日のデイサービスの算定はその時点で中断するものであるのに、毎月来る実績は診察時間を含めたサービス提供時間になっています。これっていいの?

episode 4 この訪問サービスが入れないっていうから他の訪問介護依頼したのに、それはダメなの?

施設の料理に飽きてしまった利用者さん。「たまには自分の好きなものを食べたい」とモニタリング時にケアマネージャーに不満をこぼしました。自室にミニキッチンがある部屋であったので、ケアマネージャーは利用者さんの意欲向上のために、一緒にメニューを考え、買い物へ行き、調理をする案を思いついたのですが、施設の訪問介護のサービス提供責任者に相談したところ「そのようなことができる人員はない」との返答されてしまいました。そこで、別の訪問介護事業所に依頼をしようとしたのですが、「セキュリティの関係上自社のサービス以外の人に、施設の中でサービス提供されたら困る」と言われてしまいました。

episode 5 居宅療養管理指導で薬剤師さんが来てるけど、利用者さんに合ってもないよね。

サービス付き高齢者住宅の入所と同時に、薬剤師の居宅療養管理指導の導入を施設側から勧められました。訪問診療の先生と連携しやすい薬局であり、その薬局の人が薬を毎回施設に届けてくれるというものでした。もちろん、居宅療養管理指導ですしケアプランに位置付けをしているのですが、モニタリングの時に利用者さんに薬剤師の人のことを尋ねると、会ったこともないというのです。薬の配達だけして、居宅療養管理指導を算定しているのでは?

episode 6 利用者さん、デイサービス利用中に居室に戻っているって本人言っているけど、この通所介護の算定、本当に合ってるの?

モニタリングの訪問の時に、利用者さんから毎日15時にドラマを見ることが楽しみになっているという話がありました。15時といえばまだ通所介護を利用している時間です。「通所介護で見ているの?」と尋ねると、いや、「お昼ごはん食べたら、もう部屋に戻ってますよ」と返答。実績は毎回提供時間は17時までとなっているんですが。どういうこと?

episode 7 介護職員さん、食事介助の利用者さんを、複数人並行に食事介助しているけど、これって身体介護で算定していいの?

要介護4の食事介助が必要な利用者さん。食事量が少なくなってきたという施設からの連絡を受けて、食事時に利用者さんの様子を見に訪問。食堂で食事介助が必要な利用者さんが1つのテーブルに集まっていました。介護職員さん1人が順番に3人の利用者さんの食事介助を同時並行にしていることを発見。その食事介助されている利用者さんの1人が私の担当の利用者さんでした。身体介護は1対1で提供されるべきサービス。私、このサービスを今まで身体介護で算定してきたんだけど、いいの?

支援に困った時の相談相手として

厚生労働省の令和3年度の老人保健健康増進等事業として株式会社日本総合研究所において「サービス付き高齢者向け住宅等における適正なケアプラン作成に向けた調査研究」が実施され、その結果に基づき「住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅におけるケアマネジメントの考え方」という冊子が出されました。

そこでは不適説事例かもしれないが、具体的にどう対処したらわからない。そいういった場合の相談先が以下の通り紹介されています。

  • 職場の主任ケアマネジャーや先輩へ相談
  • 他事業所のケアマネジャーと事例検討等で相談
  • 地域包括支援センターへの相談

みなさんのよくご存じの相談場所ですよね。でも、なかなかそういったところで解決しない、あるいは、相談がしにくい場合は、自治体の介護保険担当課や、日本介護支援専門員協会の各都道府県支部への連絡も併せて紹介されています。

気を付けたい!居宅介護支援事業所も指導対象に!

不適切とされるケアプランの作成をしていると判断された場合は、不本意ながら居宅介護支援事業所も指導の対象となる可能性があります。また不正を承知で給付管理をしていたら、その可能性は一層高まることでしょう。最悪な場合には、事業所の指定の取り消しも。
手をつくしても、どうしようもない。そういった状態であれば、運営指導等の行政機関へ不正の通報をすることも可能です。こういう経営をしている施設に対する対応の相談をし、行政の指導の目をいきやすくすることも一つです。

よりよい施設選びのご提案

居宅のケアマネージャーが施設を紹介する機会は多くあります。その施設が住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅であれば、利用者さんに施設を紹介する場合には上記のモヤモヤポイントを考慮して、施設のご案内をすることを強くお勧めします。継続してあなたがケアマネを引き継ぐ場合もあることから、結果的に適切な施設を選ぶことがケアマネの身を守ることにもつながります。

みなさんの居宅介護支援の一助になればと思います。では、今日も適当に頑張りましょう。「ケセラセラ。」

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