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【関係ないとは言わせない!】令和3年度版、ケアマネも知っておくべき個別機能訓練加算の中身。

つぶあんこ
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個別に機能訓練をしてくれてるんだよね。たぶん…

利用者さん、ごめんなさい。正直申しますと、私、他事業所の加算をイマイチ理解せずに算定していた事、多々あります。

例えば通所介護の利用前に相談員さんから、

「うちは、この加算とこの加算、取りますんで~」

なんて言われて、

「はいはーい。」と言いながら、利用票を作成していた過去があります。

ここでは、ケアマネージャーでも知っとくべき、他事業所が算定している加算について、理解を深めていければと思います。まずは、誰もが目にする耳にする【個別機能訓練加算】です。

その内容が詳しく記されている「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」の内容をケアマネ目線で覗いていきたいと思います。

個別機能訓練加算をケアマネ視点でマナブ!!

個別機能訓練加算の目的は、

住み慣れた地域で居宅において可能な限り自立して暮らし続けること生活機能の維持・向上を図ることです。

なので、この加算を算定しようとしているデイサービスさんは、利用者の居宅を訪問し、利用者の在宅生活の状況を確認した上で、多職種共同で個別機能訓練計画を作成機能訓練を実施することとされています。この個別機能訓練計画書には、もちろん介護支援専門員の意見も含む必要あります。

まずはここから!アセスメント

その中で、まず個別機能訓練計画作成にあたっては、

・利用者の社会参加状況やニーズ

日常生活や社会生活等における役割の把握

心身の状態

を確認をしていきます。

① 利用者の日常生活や社会生活等について、現在行っていることや、今後行いたいことを把握する。利用者のニーズ・日常生活や社会生活等における役割に対する家族の希望を把握する。

② 利用者の居宅での生活状況(ADL、IADL等)を居宅訪問の上で確認する。

ⅰ 利用者の居宅の環境(居宅での生活において使用している福祉用具・補助具等を含む)を確認する。
ⅱ ADL、IADL項目について、居宅の環境下での自立レベルや実施するにあたっての課題を把握する。

③ 必要に応じて医師又は歯科医師から、これまでの利用者に対する病名、治療経過、合併疾患、個別機能訓練実施上の留意事項についての情報を得る。直接医師又は歯科医師から情報が得られない場合は、介護支援専門員を通じて情報収集を図ること。

介護支援専門員から、居宅サービス計画に記載された利用者本人や家族の意向、総合的な支援方針、解決すべき課題、長期目標、短期目標、サービス内容などについて情報を得ること。

とされています。上記の情報を元に、機能訓練指導員等が多職種協働で個別機能訓練計画を作成されます。

個別機能訓練計画の作成

アセスメントから導き出される課題について、機能訓練指導員等が協働し、利用者又は家族の意向及び利用者を担当する介護支援専門員の意見も踏まえつつ個別機能訓練目標を設定されていきます。

この目標は、利用者さんの意欲の向上に繋がるよう長期目標・短期目標のように段階的な目標設定をするなど、可能な限り具体的で分かりやすい目標とすることとされています。

個別機能訓練計画にはケアマネの協力が必要

ここまでの内容からも、個別機能訓練計画の作成については、介護支援専門員の協力が必要である事がわかりますね個別訓練の実施上における必要な情報をを算定する事業所に対して主治医から得た医療的な情報や個別機能訓練の実施における留意事項については事業所さんにお伝えする必要があるようです。介護支援専門員は運営基準上においても主治医との連携を求められていますから、情報持っているでしょう?という事なのでしょうか。しかしここでは、直接得る事ができない場合とされていますので、全てが介護支援専門員からの情報提供が必要というわけではないかもしれません。

また居宅サービス計画の内容とのれ整合性の確認が必要となりますので、作成される個別機能訓練計画が支援の方針と相違がないかどうか、確認する必要があります。

運営基準で示されている介護支援専門員と主治医との連携については、以下の記事で解説しています。ご参考にご覧ください。

【お医者さんと仲良くなろう!】居宅介護支援に求められる医師との連携②

目標の設定が終わると、ようやく訓練項目を決定していきます。訓練項目では、生活機能の向上のためには、通所介護等提供中に機能訓練を行うのみでなく、利用者が日々の生活においてもできる限り自主訓練を行うことが重要であることから、利用者が自身で又は家族等の援助を受けて、利用者の居宅等においても実施できるような訓練項目をあわせて検討し、提示することが望ましいとされています。

ケアプランに位置づけポイント

デイサービスで考えられた自宅での自主訓練はまさに、ケアプランにも反映させていけそうなポイントです。個別機能訓練を算定されるデイサービスであれば、自宅でも行える実施可能な訓練を検討してもらい、それをケアプランに盛り込むのもいいかもしれません。

「個別機能訓練計画については介護支援専門員への報告 介護支援専門員に対し、個別機能訓練計画を交付(電磁的記録の提供 を含む)の上、利用者又はその家族への説明を行い、内容に同意を得た 旨報告すること。」とされています。よって個別機能訓練計画をもらえていないケアマネさんは是非事業所さんから貰ってください。

場合によっては、「個別機能訓練計画に相当する内容を通所介護計画又は地域密着型通所介護計画の中に記載する場合は、その記載をもって個別機能訓練計画の作成に代えることができる。」とされていますので通所介護計画と一体的に作成されいている事があります。

いざ、個別機能訓練実施!!

この加算でいう個別機能訓練とは、マンツーマンでの機能訓練を指しているのではありません。同じような目標を持って、同じ訓練項目を選択している5人程度以下の小さなグループに対して機能訓練指導員が直接訓練を行う事を指しています。なので、その機能訓練は、機能訓練指導員さんが直接訓練を行わないといけないのです。ただ、補助者として別の職種の人が係る事は問題ないとされています。

個別機能訓練で立てられる目標は、具体的な生活上の行為の達成を含めた目標とすることとされています。実際の訓練では、事業所内であれば、必要な浴室設備、調理設備・備品等を備えること、事業所外であれば、利用者の居宅や近隣の施設等に赴くこと等により、事業所内外の実地的な環境下で訓練を行うことが望ましいとされています。ここで個別機能訓練の一貫として、事業所の屋外での訓練も可能である事が明確にされています。

訓練時間

個別機能訓練計画に定めた訓練項目の実施に必要な1回あたりの訓練時間を考慮し適切に設定することとされています。なので最低何分といった決まりはありませんあくまでも利用者のニーズや心身の状態等を踏まえて設定された個別機能訓練計画の目標等を勘案し、必要な時間数を確保する必要があります。また訓練の目的・趣旨を損なうような著しく短時間の訓練は好ましくなく、訓練時間は利用者の状態の変化や目標の達成度等を踏まえ、必要に応じて適宜見直し・変更されるべきものであるとされています。

介護保険最新情報vol.952「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(vol.3)(令和3年3月26日)」の送付について

訓練回数

個別機能訓練の目的を達成するためには、生活機能の維持・向上を図る観点から、計画的・継続的に個別機能訓練を実施する必要があり、概ね週1回以上実施することを目安とするとされています。隔週利用の利用者さんにはあまり馴染まないのかもしれません。

個別機能訓練の実施後にすべき事

個別機能訓練を行ったら、その評価をしなければなりません。それぞれの利用者さんの目的に照らし、個別機能訓練項目や訓練実施時間が適切であったか、個別機能訓練の効果(例えば当該利用者のADL及びIADLの改善状況)が現れているか等について、デイサービスさんは評価を行います。

3月ごとに1回以上、利用者さんの居宅を訪問し、利用者の居宅での生活状況(起居動作、ADL、IADL等の状況)を確認します。そして利用者又はその家族に対して個別機能訓練の実施状況や個別機能訓練の効果等について説明し、記録をしなければなりませんその後も利用者又はその家族の意向を確認の上、当該利用者に対する個別機能訓練の効果等をふまえた個別機能訓練の目標の見直しや訓練項目の変更を行います。

そして、介護支援専門員に対してもすべきことがあります。それは、「概ね3月ごとに1回以上、個別機能訓練の実施状況や個別機能訓練の効果等について、適宜報告・相談する」とされています

機能訓練の結果の報告や内容を文書にして実績と一緒にくれる事業所さんがありました。「すごい、とっても意欲高い事業所さんだ。」と思っていたのですが、加算の要件だったのですね。デイサービスさんは、利用者又はその家族の意向を確認の上、当該利用者に対する個別機能訓練の効果等をふまえた個別機能訓練の目標の見直しや訓練項目の変更等、適宜必要な対応が求められているのです。

つぶあんこ
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個別機能訓練加算(Ⅰ)イとロ、そして(Ⅱ)単位は違うけど何が違うの??

個別機能訓練加算(Ⅰ)のイとロの違いをとてもざっくり解説すると、機能訓練指導員さんの人員配置の差です個別機能訓練加算(Ⅰ)イでは、専ら機能訓練指導員の仕事に従事する機能訓練指導員さんを1名以上配置する必要があります。

単位の高い個別機能訓練加算(Ⅰ)ロは、個別機能訓練加算(Ⅰ)の機能訓練指導員さんに加えて、専ら機能訓練指導員の職務に従事する機能訓練指導員さんをサービス提供時間通じて1名配置される必要があり少なくとも2名の機能訓練指導員さんが配置されます。

個別機能訓練加算(Ⅰ)イに係る機能訓練指導員さんの具体的な配置時間の定めはありません。しかし、その機能訓練指導員さんは個別機能訓練計画を作る中心人物であったり、利用者さんにに対し個別機能訓練を直接実施したり、実施後の効果等を評価したりする必要があるので、それに必要な時間を配置するようにとされています。

個別機能訓練加算(Ⅱ)は個別機能訓練加算(Ⅰ)イ又は個別機能訓練加算(Ⅰ)ロの算定要件を満たした上で、個別機能訓練計画書の内容等の情報を科学的介護推進システム「LIFE」に提出して、機能訓練の実施に当たって、当該情報その他機能訓練の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること。とされています。

※いわずもがなですが機能訓練指導員の職務に従事する人は、決められた資格が必要です。

まとめ

・個別機能訓練の目的は住み慣れた地域で居宅において可能な限り自立して暮らし続けること、生活機能の維持・向上を図ること。

・目標は具体的な生活上の行為の達成を含めたものがよい。

・個別機能訓練計画書の作成には介護支援専門員の協力が必要。

・概ね3月ごとに1回以上、個別機能訓練の実施状況や個別機能訓練の効果等について、介護支援専門員に適宜報告・相談がくる。

・個別機能訓練加算(Ⅰ)イとロの違いは機能訓練指導員の人員配置の違い

以上がケアマネ目線、デイサービスにおける個別機能訓練加算のざっくり解説でした。実際加算を算定している事業所さんによっては上記の内容をしていくれているのか?って不安になってしまうような所、ありますよね。この知識が利用者さんの最適なデイサービス選びの一助になれば幸いです。

では、明日も適当に頑張りましょう。「ケセラセラ。」

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