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運営指導対策!居宅介護支援の「確認項目及び確認文書 」を深掘る【個別サービスの質に関する事項編】

前回に引き続きですが、運営指導対策です。

そもそも、運営指導の「確認項目及び確認文書 」とは?

昨今は介護サービス事業所が増加し、自治体によっては運営指導を効率的に回る事が困難になっている実態があるようです。

本来では居宅介護支援事業所は6年に1回の運営指導を受ける事となっていますが、「あれ?うちの事業所10年は来ていないなぁ」なんて事も。

また自治体間でルールがマチマチだったりする事もあり、色々なうわさがネット上でもふわふわしていますよね。運営指導の標準化や効率化を図る為に、「確認項目及び確認文書」というのが作成されました。運営指導はこれに基づいて確認されますので、いわば「テストの出題範囲」が予め告知されているというわけです。

確認項目以外の項目は特段の事情がない限り確認を行わないとされています。

なお各種加算等に関する介護報酬に関しては、確認文書に限定されないとされていますので、ご注意ください。いわば出題範囲は限定されていません。

報酬請求指導の内容は、

でさくっと解説していますので、是非ご確認ください。↑ ↑ ↑

ではさっそく、居宅介護支援の「確認項目及び確認文書 」の内容を覗いていきましょう!

確認項目及び確認文書は2種類ある

・個別サービスの質に関する事項
・個別サービスの質を確保するための体制に関する事項

に分かれています。

端的に言えば、個別サービスの質に関する事項は、運営基準減算の事項

個別サービスの質を確保するための体制に関する事項は人員等のそれ以外の事項となります。

どちらの項目も、ものすごく大事なのですが、特に注意をしたいのは前者の方になるかなと思います。

個別サービスの質に関する事項

確認項目①:内容及び手続の説明 及び同意 (第 4 条)

確認文書

重要事項説明書(利用申込者又は家族の同意があったことがわかるもの)
内容及び手続きの説明の理解にかかる利用申込者の署名文書
利用契約書

・利用申込者又はその家族への説明と同意の手続きを取っているか

・重要事項説明書の内容に不備等はないか

ここは運営基準減算ポイントです

重要事項の説明書については利用者に文書にて懇切丁寧に、そして、文書を交付する事とされていますので、ここには抜けのないようにしましょう。

運営基準減算に抵触するような説明内容については、重要事項説明書に記している事業所さんが多いと思いますので、必ず抜けがないように注意をしましょう。

つぶあんこ
つぶあんこ

運営基準減算回避!居宅介護支援の契約時に絶対気をつけたい事については、以下の記事を参考にしてみてください!

確認項目➁:指定居宅介護支援の具体的取扱方針(第 13 条)

確認文書

・アセスメントシート
・サービス担当者会議の記録
・居宅サービス計画
・支援経過記録等
・モニタリングの記録
・個別サービス計画

みなさんはこの「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準の第13条」をご覧になった事はあるでしょうか?私達が行うべき業務の事はほぼこの13条に記載されています。いわば「居宅ケアマネの憲法」です。自治体ルールはこれに派生してできています。

今一度、活字が嫌いなケアマネさんにも、この13条だけでもをお目通し願いたいと思います。では、確認項目の内容を見ていきましょう!

利用者の希望やアセスメントに基づき、介護保険サービス以外のサービス、支援を含めた総合的な居宅サービス計画を立てているか

 介護給付対象サービス以外の保険医療サービス又は福祉サービス、当該地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて居宅サービス計画上に位置づけるよう努めなければならないと運営基準上で定めらています。

つぶあんこ
つぶあんこ

研修とかでよく言われるなぁと思っていたけど、運営基準に書かれていたんだね。

解釈通知「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について」を合わせて見ていくと、利用者の希望や課題分析の結果に基づき、例えば市町村保健師等が居宅を訪問して行う指導等の保健サービス、老人介護支援センターにおける相談援助及び市町村が一般施策として行う配食サービス、寝具乾燥サービス、当該地域の住民による見守り、配食、会食などの自発的な活動によるサービス等,更には,こうしたサービスと併せて提供される精神科訪問看護等の医療サービス,はり師・きゅう師による施術,保健師・看護師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師による機能訓練なども含めて居宅サービス計画に位置づけることにより総合的な計画になるように努めなければならない。とされています。

利用者の希望や課題分析の結果に基づき、とされているところが、ポイントですね。

特定事業所加算の算定要件に令和3年4月から

※必要に応じて、多様な主体により提供される利用者の日常生活全般を支援するサービス(介護給付等対象サービス以外の保健医療サービス又は福祉サービス、当該地域の住民による自発的な活動によるサービス等をいう。)が包括的に提供されるような居宅サービス計画を作成していること。

の項目が追加されました。

つぶあんこ
つぶあんこ

ここは国が「介護保険以外のサービスも使うように努めて!!」と押しているポイントなんだね。

集合住宅等において、利用者の意思に反し、同一敷地内の指定居宅サービス事業者のみを居宅サービス計画に位置付けていないか

同一建物減算や、厚生労働省の定める基準以上の生活援助を位置づけているケアプランの届け出、居宅介護支援事業所単位で、区分支給限度額の利用割合が7割以上かつその利用サービスの6割以上が「訪問介護サービス」のケアプランを抽出し、点検・検証。これも令和3年10月から開始されました。

当然ながら、解釈通知「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について」でも、

特定の指定居宅サービス事業者に不当に偏した(偏ったって意味です)情報を提供するようなことや、利用者の選択を求めることなく同一の事業主体のサービスのみによる居宅サービス計画原案を最初から提示するようなことがあってはならない。居宅サービス計画についても、利用者の意思に反して、集合住宅と同一敷地内等の指定居宅サービス事業者のみを居宅サービス計画に位置づけるようなことはあってはならない。

とされています。

つぶあんこ
つぶあんこ

集合住宅のサービス集中の問題。ここも国が目を光らせているポイントだね。

サービス担当者会議を開催し、利用者の状況等に関する情報を担当者と共有し、担当者からの専門的な見地からの意見を求めているか

ここは運営基準減算ポイントです

サービス担当者会議を適切に行っているかを確認されます。サービス担当者会議では利用者の状況等に関する情報を当該担当者と共有するとともに、専門的な見地からの意見を求め調整を図ることが重要とされています。しかし軽微な変更ではサービス担当者会議を省略できたり、照会に変える事ができるとなっていますが、軽微な変更の取り扱いについては、市町村にとって差異があるようですので、迷ったらとにかく保険者へ確認です!

つぶあんこ
つぶあんこ

軽微な変更は介護支援専門員が一連の業務を行う必要性がないと判断したものとされているのに、市町村ルールが多いよね。

定期的にモニタリングを行っているか

ここは運営基準減算ポイントです

毎月必ず利用者さんの居宅に行ってモニタリングを行っていきましょう。モニタリングというのは、居宅サービス計画の実施状況の把握(利用者についての継続的なアセスメントを含む)です。

自宅へ行ってモニタリングを行うだけでなく、結果の記録をしていないと、運営基準減算の対象となる可能性があるので注意をしましょう。私は利用者さんの家に訪問してモニタリングの結果を手帳に記録しています。万が一、モニタリングシートに記録がなかった場合に、ちゃんとモニタリングをしていた証明になるかもしれないというスケベ心です。(しかし、モニタリング記録になりうるかについては保証はしません。あしからず。)

つぶあんこ
つぶあんこ

記録は本当にケアマネにとっての生命線です!

利用者及び担当者への説明・同意・交付をおこなっているか

ここは運営基準減算ポイントです

だいたい介護の計画書は「説明・同意・交付」の3ワードがセットになっています。居宅サービス計画書については文書により同意を得なければならないとされています。よって介護ソフトの同意欄が消えたとなっていても、同意は文書で必要になります。同じ事を何回も言っていますが、同意は文書でもらいましょう。また令和3年4月から電磁的な取り扱いもできると改正されました。

交付は利用者のみならず担当者にも、もちろん必要です。基本的にはサービスの提供開始前に交付してください。遅くなってしまいますと、個別サービス計画書の作成に支障をきたしてしまいます。

つぶあんこ
つぶあんこ

リズムのように覚えましょう!「説明・同意・交付」

担当者から個別サービス計画の提供を受けているか(整合性の確認)

 実際あまりない事かもしれませんが、居宅サービス計画と個別サービス計画の内容が全然食い違っていたら、利用者さんは困ってしまいますよね。ケアマネは、個別サービス計画の内容にも目を向けなければなりません。

ケアマネは個別サービス計画の提出を事業所さんに求める必要があります。そして、居宅サービス計画と連動しているか?または整合性はあるのか?という確認を行う必要があるのです。この連動性や整合性の確認のタイミングは必要時とされています。また解釈通知「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について」では

サービス担当者会議の前に居宅サービス計画の原案を担当者に提供し、サービス担当者会議に個別サービス計画案の提出を求め、サービス担当者会議において情報の共有や調整を図るなどの手法も有効である。

と活用の機会のアドバイスしてくれています。これは結構有益な情報ですよね。

ちなみにケアマネが事業所に対して個別サービス計画を求めることなっていますが、個別サービス計画をもらえない事をもって居宅支援事業所が運営基準減算定の対象とはなっていません。

平成27年4月1日事務連絡介護保険最新情報vol.454
「平成27年度介護報酬改定に関するQ&A(平成27年4月1日)」の送付についてでは、

運営基準減算の対象ではないが、個別サービス計画の提出は、居宅介護支援事業所と指定居宅サービス等の事業所の意識の共有を図る観点から導入するものであることから、その趣旨目的を踏まえ、適切に取り組まれたい。

とされています。

運営指導対策!居宅介護支援の「確認項目及び確認文書 」を深掘る【個別サービスの質に関する事項編】

いかがでしたでしょうか?この【個別サービスの質に関する事項】とは、運営基準減算に直結する内容となりますので、ここは落としたくないポイントですよね。

日々の利用者さん対応で忙しいケアマネさん。正直書類仕事っ二の次になってきますよね。限られた時間内にケアマネの書類業務は簡素に。それが多くのケアマネさんの願いだと思います。私の事業所もそうですが、不必要な事業所の独自書類はありませんか?これを機に見直してみるのも良いと思います。

残りの【個別サービスの質を確保するための体制に関する事項】については順次掲載していく予定です。

また明日も適度に頑張りましょう。ケセラセラ。

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